英語も「これが主語で、どれが修飾語でどの語句にかかって」とか、屁理屈をこねくり回した話を日本語で100時間聞いても実際の英語の現場では何の足しにもなりません。基本的な文法を学んだあとは僕はほんとうに英語を知った人、英語の達人、すなわちある英国の作家の本を読みまくりました。その作家のうまい書き方を自分も書けるようになりたいと思い、書き方のまねをしようと何度も読み返しました。つまり、数学同様、うまい人の実践のまねをして学習をしたのです。たとえば、その作家は重要な人物のことを「a man of importance」と書いていましたので、私自身よくまねして使用しましたが、学校のテキストブックでは「重要な人とは名詞の前に形容詞のimportantをおいてan important man」という説明しかしてくれません。つまりません。名詞のあとにofをつけて名詞をつけて前の名詞を形容するというのは実践で覚えました。英語を覚えるという目的の前で、英語の理屈を語る日本語を1時間聞くくらいなら子供の話す生の英語を1分聞いて遊んだほうが英語の上達という観点でははるかに役に立ちます。
アカデミック英語能力判定試験ですが、これを直訳するとどうでしょうか。アカデミック英語は、Academic English と直訳できます。しばしば直訳というのは「誤訳」の代名詞みたいに使われ、意訳ができるほど英語能力の高くない人によるまやかしの翻訳みたいに批評されることがありますが、これは非常に誤った認識で、たいていの場合は直訳が翻訳としてベストの正しい翻訳のアプローチです。例えばアカデミック英語をその他の英語にすることはいくらでもできますが、しかしそのほかの言い方にすればどこかに訳者の勝手な「解釈」 が入るといわざるをえません。
能力判定はどうでしょうか。能力はcapabilityとかability、能力の質によってはcapacityなども使いますし、英語という言葉との関連では流暢性のfluencyやproficiencyもありでしょう。英語の場合はknowledgeでもいいでしょう。英検はTest of English Proficiencyで、proficiencyを使っています。判定はevaluationとかassessmentとかあり、試験はexaminationなどもありますが最もシンプル、ストレートにtestでいけるでしょう。すると、アカデミック英語能力判定試験は、ひとつにはAcademic English Proficiency Assessment Testと直訳できます。
さて、正解はどうでしょうか。実はアカデミック英語能力判定試験はTest of English for Academic Purposesに対応する日本語です。略してTEAP(てぃーぷ)。
Test of English for Academic Purposesを逆に和訳すると、Academicは一般的には学術あるいはカタカナでアカデミックと言われることが多く、purposeは目的とか用途とかあるので、Academic Purposesだと学術用英語と捉えることが出来ます。すると、Test of English for Academic Purposesは「学術用英語試験」というのが順当な訳になります。