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TEAP(ティープ)は英語の4技能を計測することが企図されているため、現在多く利用されているリーディングとリスニングに加えて、ライティングとスピーキングのモジュールも順次利用する学校が当然に増えてくるものと思われます。
TEAPのライティングは、IELTSやTOEFLなどのタスクに比べるとはるかにみやすく、英語のエッセイを書き慣れていない高校生にも十分に対応できるように配慮されています。IELTSやTOEFLの作文のうち2つ目の作文であるタスク2では、どちらの課題も受験者の意見を書かせるエッセイ作文であるのに対して、TEAPの2番目のタスク(タスクB)では、自分の意見というのはほとんど考える(書く)必要がなく、問題文中のグラフを描写し、2つあるパッセージの中で述べられているある問題への解決策をそれぞれ要約し、最後にそのいくつかの解決策のうちから受験者が最も効果的と思うものを選んで理由を述べなさい、というスタイルになっています。最後の「受験者の意見」といっても、設問の条件として、パッセージの中で述べられている理由を根拠としなさい、となっていますので、自分で理由を発案するというものではなく、要はパッセージにある解決策のうちからひとつを選んで、その解決策が有効である理由としてパッセージ中に挙げられているものを英文でまとめなさいという課題です。
このタスクは、自由な形式で自分の考えをまとめる典型的な意味でのエッセイではなく、問題文中にあるグラフを描写し、さらに指示に従ってパッセージの内容の該当部分を要約する「指示された内容を書く作文」となっています。後半部分はいわば読解問題となっており、従来では正しく読解したことを示すために英文和訳をさせていたわけですが、この問題ではその代わりにパッセージの内容を英文で答えさせる英作文を兼ねた読解問題といえるかもしれません。
ティープのライティングタスクBの問題では従って、内容について答えはほとんどひとつしかなく、また書き方も必然的に次のようなスタイルしかありえないことになります。
パラグラフ(段落)は4つです。第1パラグラフでは、まず最初にトピックである~に関する状況をグラフから読み取れる内容を「簡潔に」「ひとこと(1センテンス)」で述べます。次に、2つあるグラフの詳細な内容をそれぞれ描写します。ここの部分は、IELTSの作文のタスク1をまねたものといえますが、求められる内容はもちろんIELTSほど複雑な表現を要する内容ではありません。
次に第2パラグラフでは、ある共通の問題に関して異なったパッセージが2つ(別々の人が書いたレター、メモ、記事など)あるので、そのうちの1つめのパッセージの中であげられている解決法などを要約します。解決法など要約しなければならない項目は2つです。余計なことに言及してはいけません。問題で求められていないことまで作文に入れると無駄ですし、スペースがなくなります。評価もされません。全部で200単語程度となっているので、このパラグラフではせいぜい60単語か70単語くらいしか割けません。
2つ目のパッセージには別の人による提案などが書かれているので、この人から提案されている解決策などを要約して次の第3パラグラフとします。2つのパッセージの分量はほぼ同じくらいなので、このパラグラフも第2パラグラフ同様のまとめにします。
最後に第4番目のパラグラフで、この作文の結論部分でもあります。一応、あなたの意見を、ということになっていますが、与えられている根拠を理由として、という但し書き付ですから、事実上はあなたの意見を聞いているわけではありません。誤解していろいろ自分の考えをめぐらしていたりすると、時間が浪費されますし、またいらぬことを書くと(間違った英文を書いたりして)採点に悪い影響がでるだけでひとつもいいことはありません。ここは自動的に2つのパッセージの中でそれぞれ挙げられている2人の解決策のうち共通した解決策を選ぶのが順当です(共通する解決策がある場合)。なぜならその解決策が優れている理由がパッセージ1とパッセージ2の両方の人の考えが書かれているため、書き取る分量が多いので、作文に有利だからです。作文は200単語くらい、と書かれたら、最低200単語くらいは書かなければいけません。単語数がこれより大幅に少ないと当然減点されるでしょう。ところが、200単語以上いくらたくさん書いても、字数が多いこと自体について評価はされませんので無駄な労力です。つまり、作文で200単語程度と指示されたら、基本的に200単語で書くつもりで書きましょう。書くべき内容が少ないと、字数をかせぐために同じことを繰り返したり、簡単にいってしまえばすむことを無理に冗長に表現したりする結果になり評価に悪影響がでます。したがって、書き取る分量が多い2人に共通な提案を選択肢を選ぶということが戦略上有利です。
「書き取る」といいましたが、この種の作文で書きとるときには、そのままコピペするのは極力避けましょう。書き取るべき内容を自分の頭の中で噛み砕き、「自分の言葉、自分の英語」で書かなければなりません。パラフレーズです。つまり同じ内容のことを別のいいかたで書くのです。これは、第2パラグラフと第3パラグラフの解決策などの要約でも同様です。パッセージの中で書かれている内容を自分の頭の中に吸収し、それをパラフレーズして要約します。書き取るべきポイントは普通2か所以上に分散しているので、要約をするにはコピペだけでは対応できないのが普通です。パラフレージングは常日頃練習をしておきましょう。
ティープの作文はかなり画一化されており、順当に回答すれば、答えもひとつしかでてこない設問です。これは採点者が採点をしやすくするためという要素がかなり入っているのではないかと思います。簡単なグラフを説明する英文を練習し、パッセージの中に書かれてある内容の要点(gist)を記述する練習をしておきましょう。
200単語のアウトプットを効率的にするには、だいたいの分量感を持っているのが有利です。自分が英文を書くとき自分はひとつの節(clause)に平均何単語くらいの単語を使っているか調べておきましょう。節は文章(sentence)を構成する単語の集まりで、主語と述語を含み、典型的には文章は1つの節か2つ以上の節から構成されます。仮にこの値が平均10単語くらいとすれば、200単語を書くにはだいたい20節くらいと分かりますので、分量について作文中のめどがつきやすくなります。
作文は英語力が如実に表れます。英語が上手であれば隠したくてもうまいことは隠しようがありませんし、逆に上手くみせようとしていくらきばって難しい構文や単語を用いても、馬脚をあらわします。従って、作文を書くときには自分の力の8割で書くという心掛けがいい結果をもたらします。平易な単語を用いて、確実で自然な構文を用いて余裕の作文をしましょう。
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TEAP塾 英会話大名
筆責:永江俊一(東大卒;TOEIC990|国連英検特A級)