英会話大名

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05月

英語リーディングにお勧めのマテリアル

英語の多読お勧め素材・マテリアル

英語の上達には英語の読み物の多読が重要です。リーディング力だけに限らず、英語の読み物はリスニング上達にも有効です。英語リーディングのマテリアルは世の中にあふれていますが、いくつかお勧めのものをご紹介します。

まず、大人向け:
やはり王道は小説です。英語学習者の外国人が比較的容易に読める小説家・著作には次のようなものがあります。単なるブログですので記載漏れも多々あると思いますが思いつくままに下記します。

まずはセントグジュペリの「The Little Prince, 星の王子様」。これは高校3年生くらいの単語力で読めます。作者はフランス人ですが、実はアメリカで出版された英語版の方がフランス語版より先に出版されたので、これは翻訳本ではなく原作者によるれっきとしたオリジナルの英語本といえます。永遠の名作です。what is essential is invisible to the eyes.いちばん大切なものは目に見えない。おそらく圧倒的に世界中で最も読まれている小説です。

英国の作者ですが、ジェフリー・アーチャー。数多くの作品がありどれもおもしろいですが、「Kain and Abel, ケインアンドアベル」が代表作。ジェフリーアーチャーの使う単語は全て平易で読みやすいです。短編集もたくさんあります。

カズオ・イシグロ。「Never let me go, わたしを放さないで」はカズオ・イシグロ流が最もよく表れた名作。「Remains of the Day, 日の名残り」も心に残ります。

サマー・セットモーム。イギリス文学史に残る短編小説の天才。上のカズオ・イシグロの文体もなんとなくこの文豪の影響が見え隠れします。イギリスの近代文学の作家でこの人の影響を受けていない人はいないというほどの文豪。「The Painted Veil, ある貴婦人の過ち」、「Moon and six pence, 月と6ペンス」などどれも読みやすく名品ですが、彼の真骨頂はアジア・太平洋諸島の国々を舞台にした数々の短編とこれらを集めた短編集。「The letter, 手紙」、「The fall of Bernard Edward, バーナード・エドワードの堕落」など極めてエンターテイメント性の高い文学です。英語は平易なおかつ格調高く、ただただお見事。The fall of Bernard Edwardは10回以上読みました。短編ですが名作です。MI6(英国の諜報局)であったといううわさがあり、アジア諸国を歴訪する中で当然日本も含まれており、日本(神戸)を舞台にした短編小説もあります。

アメリカ文学では、アーネスト・ヘミングウェイ。「The Old Man and the Sea, 老人と海」「For Whom the Bell Tolls, 誰がために鐘は鳴る」など。ところで、For Whom the Bell Tollsの題の日本語訳、誰がために鐘は鳴るはうまいですね。tollというのは少し古めかしい動詞で、その古めかしさを「誰(た)がために」とあてているのが職人技です。

H.G.ウェルズ。「Animal farm, 動物農場」「Nineteen Eighty-Four, 1984年」など。Animal Farmは高校生のボキャブラリで十分に読めます。

あまり好きな作家ではありませんが、読みやすい英語という観点からはやはりはずせないのはJ・D・サリンジャー。あまり多くの作品はありませんが、「The Catcher in the Rye, ライ麦畑でつかまえて」など。スラングがたくさん出てきます。この題名の日本語訳はかなりの「うそ訳」で、ほんとうは「ライ麦畑の捕まえ人」が正解。但し、うけを狙ってあえて違った意味とかしゃれた邦訳をつけるのは映画の題名などにもよくあります。

最近の米文学の作者ではレイモンド・カーヴァーの英語も文章が短く簡単です。短編集が多く、「Will You Please Be Quiet, Please?, 頼むから静かにしてくれ」「Cathedral, 大聖堂」など。サリンジャーなどと同様、いかにもアメリカ文学らしく何を訴えたいのか解りにくい作風ですが、これらは日本の村上春樹さんなどと通じるところがあるらしく、両作者とも村上春樹さんがさかんに翻訳している作者です。

アメリカのサスペンス作家ジョン・グリシャム。英文はスピーディーで平易です。「The firm, 法律事務所」「A time to kill, 評決のとき」など娯楽性が高く、ひといきに読める小説です。

オーストアリアの新進作家ですが、リチャード・フラナガン。2014年のブッカー賞(イギリス)を受賞したThe Narrow Road to the Deep North太平洋戦争と結ばれぬラブストーリーを絡めた力作。ところで、この小説のThe Narrow Road to the Deep Northは松尾芭蕉の奥の細道を英語でシャレたものです。

英会話大名,福岡市
永江俊一