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英会話大名,福岡の日英翻訳コースの講師(永江俊一)の紹介ページです。 ⇒ 日英翻訳コース
日英翻訳講座の講師永江俊一のバックグラウンド等は、日英翻訳クラス紹介の中で概略説明してあるとおりです。
メーカーと不動産開発の企業で長く勤めた後、地元の福岡に戻り2004年ころから翻訳業を始めました。したがって、職業翻訳者という意味でプロの翻訳者になって10年以上になります。翻訳の言語は日本語と英語間、翻訳のデレクションは文書により、英語から日本語に翻訳するものと日本語から英語にするものとがあります。また他の翻訳者が翻訳したものを校正したり、またはチェックすることもあります。校正とチェックの違いは一般には分かりづらいかもしれませんが、業界にいる人の中でははっきりと区別されています。
翻訳の処理スピードは典型的な文書において英日の翻訳の場合はソース言語の単語数で1日におよそ1500単語、日英の場合は1日におよそ3000文字くらいです。一般的な標準でいえばあまり早い方とはいえませんが、これは能力が劣っているということではなく日本語の場合も英語の場合も適切な専門用語を必ず確認するという過程をしているためであり、私が旨とする丁寧で正確な翻訳をするためには最速のスピードと考えています。チェックは1日に3000単語から5000単語ほどできます。1次翻訳の仕上がりがいいものだと当然チェックできる単語数はさらに増えます。翻訳とチェックを合わせて1か月におよそ6万文字以上の翻訳または翻訳チェックをしています。
翻訳分野は企業間で締結される各種契約書、財務諸表など会計に関連する文書、不動産関連文書などです。ほかの分野の翻訳を断るわけではありませんが、自分の背景や技術、職歴、自身についての開示の内容などから請け負う仕事は自然にこれらの文書に集約されてきます。
翻訳の難しさは、なんといっても多くの人にとっては第2外国語はいつまでたっても第2外国語という事実です。
一部のバイリンガルの人を除いて、母国語はさておき、第2外国語はなかなか流暢になれません。(なお、バイリンガルといいうのは、なろうとしてなれるものではなくて、幼少のころに母国語以外の国で生活して学校に通うなど生活環境によってそういう属性になるものです。詳細の差異はありますが、何歳までの間に母国語以外の言語、文化で生活した者などと定義されています。)
翻訳の理想としては、2つの言語に精通しているということが大切なわけですが、しかし上に述べたような理由から、たいていの場合、翻訳者は自由自在にあやつれる母語と運用能力がはるかに劣る第2外国語とを使用する職人ということになります。
しばしば議論される点ですが、流ちょうな母国語と、そこそこの第2外国語とを備えた者、例えばここでは日本語と英語を例にとりますが、どちらの方向に翻訳すべきか、という選択の問題があります。日本では翻訳についてはあまり規制らしい規制がなく、また翻訳に対する理解も一般社会であまり与えられていないのでそれほど問題になりませんが、海外に目を向けると翻訳については結構研究が進んでおり、また国家資格や職業翻訳者協会などの倫理規定・行動規範などもあり、翻訳は第2外国語から母国語の方向に限ってすべし、という考えが主流です。
本翻訳講座の講師である永江の母国語は日本語です。上記の考えに沿えば、英語から日本語の方向に限り翻訳すべし、という話になります。
ではなぜ母国語が日本語である者が母国語から第2外国語への翻訳を語るのか。特に、翻訳は母国語の方向に向かってのみすべし、というガイドラインが普及している国々の方にとっては、しょせんは第2外国語である英語に対する翻訳を職業的なレベルですることができるのか、と疑問が起こるかもしれません。
翻訳とひとことでいってもソース文書の種類によって、求められる技能は大きく違います。産業翻訳ではたいていそうだと思いますが、私の扱う書類ではソース言語を間違いなく理解することがむしろ非常に重要になります。
産業翻訳で避けなければならない重大なことはもちろん誤訳です。数年前にアメリカでトヨタ自動車の車が運転中に運転者の意思に反して加速するというクレームが高まり、結局は多額の金額の和解金を支払うという結末になりましたが、これはトヨタの内部資料を勝手に翻訳させその資料の中にあった文言であるクルーズコントロールが急に「発進」という日本語の表現をよく読解できない日英翻訳者が誤って車が勝手にアクセレレート(加速)したと訳した誤訳がひとつの大きな要因となりました。第2次世界大戦で日本がアメリカとの交戦やむなしという最終的な判断をしたのはハルレポート(ハルは米国の当時の国務大臣)を日本が誤訳したことによるという説もあります。これらの事実関係について詳細を論じるのは論点ではありませんので、またこれらは例示にすぎませんので、ここでは文書によっては誤訳によって非常に大きな結末を呼ぶことがあり、したがって産業翻訳では誤訳は絶対に避けなければならない、という議論に注目しましょう。いずれの例も誤訳はソース言語を第2外国語とするソース言語の読解力に乏しい翻訳者の仕事でした。ソース言語の読み取りがあやしい翻訳者は市場に溢れています。
誤訳は分析をすると、翻訳をする人が元の文書の著者の意図を誤って理解したか(読み違えです)、あるいは翻訳したあとの表現が稚拙であったために訳文の読者に対して誤った情報が伝わったかのどちらかであることがわかります(両方の組み合わせであることもあります)。
現実の中では、誤訳は前者のソース文書の「読み違え」で起こることが圧倒的に多いのです。その原因となるのは翻訳者のソース言語に対する知識の未熟さです。翻訳界である程度認められた見解として、翻訳者はソース言語を十分に読み取れるほどの「適当な」第2外国語の知識と読者に読みやすさを与えるネーティブレベルのターゲット言語の知識を要する、というのが条件になっています。ところが十分に読み取れるソース言語の理解力という点において安易にされることが多いのです。
私は産業翻訳ではターゲット言語でこなれた表現に腐心するよりは、ソース言語を絶対に読み違えないことが翻訳者のまず第1の要件であると考えています。そしてソース言語を読み違えないための十分な語学力というのは一般に思われているよりははるかに高度な知識と技能を必要とします。
ところが一般には、上述のように翻訳品の最終形であるターゲット言語の見栄えが重視される傾向があるので、翻訳の学習においても、日英翻訳はほとんどどの翻訳スクールにおいても英語をネーティブ言語とする講師が教鞭をとるという形になっているかと思います。
ところが、皮肉なことにこのようなクラスでは学習する方の生徒さんは逆に日本語をネーティブとする翻訳志望者がほとんどです。これもソース言語を軽視する現状を表したものだと思うのですが、現実的に日英翻訳の仕事のうちの多数は英語ネーティブの翻訳者が占めているのに、日英翻訳を専門とする英語ネーティブの翻訳者はこのような翻訳スクールで日英翻訳を習わないのです。ソース言語を間違いなく理解することに重要性を置かない翻訳者は自分の稚拙な理解(誤解)に基づいて勝手な英文を作り、意味のずれを指摘されると、意訳をするとこういう表現になるのだなどと言ってごまかしをすることになります。このような翻訳はいけません。
翻訳をする際には、ソース文書の作者が書いている内容を完全に理解することが必要です。しかし人間がものを読んで理解する内容は、読者の知識の範囲の中でしか理解されることはありません。したがって、ソース言語に対する知識が劣っている場合は必ず作者の考えと、読者がこれが作者の考えであると理解した作者の考えとの間にはずれが生じてきます。このずれが大きくなると、読者は勝手に想像をしはじめます。そうして生み出された翻訳品は作者の意図をすべて他の言語で表した翻訳ではなく、作文になります。
翻訳者は決して誤訳をしてはならず、作文もしてはなりません。そのためにはまずソース文書を正しく理解することをもっと重視すべきであると思います。
供給の多い英文和訳の翻訳クラスおよび英語ネーティブの講師による日本語ネーティブの方に対する和文英訳の翻訳クラスとは異なるクラスを提供しようという意図で、当翻訳スクールでは現在日英翻訳クラスを日本語をネーティブ言語とする翻訳者を講師として開催しています。英語を母国語とする方、またはシンガポール、インドなど英語を公用語または準公用語のひとつとしている国の出身の方などで日英翻訳の仕事をめざしている方などが日英翻訳の基礎について学べる場を提供したいと考えています。
ソース言語を絶対に読み謝らないこと、絶対に誤訳をしない翻訳姿勢、そしてソース言語の正しい用語の理解に基づくターゲット言語での正しい対応用語の選択の仕方、調べ方などのノウハウを提供できる講師であると思います。 ⇒ J2E Translation studies
永江俊一 産業翻訳者 英会話大名