英会話大名

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英検のライティング;2級

英検2級に求められる能力

英検2級のライティング・作文|英語を外国語として学んでいる人にとってどの程度のまたどのような範囲の英語知識が重要であるか、優先事項であるか、というのは簡単な問題のようであり、実は複雑な問題です。例えば、日本で昔から非常に定着している英検(公益財団法人日本英語検定協会)では、英検1級、2級、3級等々ありますが、各級に求められる英語知識の内容や合格基準がどこにあるべきかという問題です。

外国語としての英語の知識レベルとして多くの国や地域、機関などで使用されている基準としてヨーロッパ言語共通参照枠いわゆるCEFR(Common European Framework of Reference for Languages)という枠組みがあります。多くの英語認定試験などがこの枠組みを参照しながら合格基準を設定することになります。

英検2級はCEFRのスケールではざっくりいうとBレベル(自立した言語使用者,Independent User)で、細分類ではBのうちでも初等のほうのB1レベル(習得しつつある者・中級者)に相当するといわれています。B1はCommon Reference Levelsのディスクリプション(説明)では以下のような英語能力水準を持つ者をくくるレベルですので、私見では英検2級B1レベルでも下のほうではないかと思います。

Can understand the main points of clear standard input on familiar matters regularly encountered in work, school, leisure, etc. Can deal with most situations likely to arise whilst travelling in an area where the language is spoken. Can produce simple connected text on topics, which are familiar, or of personal interest. Can describe experiences and events, dreams, hopes & ambitions and briefly give reasons and explanations for opinions and plans.

英検2級にライティングが求められる背景と英語の4技能化

英検は従来筆記試験の中でリーディングに重点が置かれ、ライティング(writingまたはcomposition)については英検準1級から導入されていました。英検2級の中では語句整序問題が5問あり、これがライティング(英作文)の技能を図る代替問題となっていました。ライティングを文字通り文章を作成する問題にすると、ある程度困難が生まれるので(人手が必要なことと採点の客観性などの問題)、ライティング(writing)は受験生の数が減る準1級からの導入に遅らせていた主催者側の技術的事情もあるかと思います。

ところが、ここ数年リーディング一辺倒の英語から4技能への転換が多く議論されており、その要請に応える形で英検2級でも平成28年の英検第1回試験(平成28年6月実施)から英検2級ライティング問題が入ることが公表されています(準二級および三級についても将来的にライティング問題を導入する予定のようです)。ちなみに英検協会は4技能計測の必要性に応える形の試験、特に大学入試を意識して先にTEAPをリリースしています。TEAPはCEFRのB1あたりの英語力を図るものとみられ、英検2級が4技能化してくるとB1レベルの技能試験としては一般に対応するのが2級、大学受験生向けがTEAPという形になってくるのかなと想像されます(但し、TEAPの問題は英検2級の問題より処理スピードが要求されるなど、難易度が英検2級より少し高いです。また、評価はスコア性であり合否ではないので、A2からB2くらいの広い範囲を計測するようになっているようです)

英語の能力は実はひとつであり、リーディングもリスニングもスピーキングもライティングもその英語技能の各側面でしかありません。従って、リーディング力が伸びればライティング力も当然上がるのですが、一般的にものを読むことに要求される知識とものを書くことに要求される力との間にはかなりの差異があります。英検2級に挑戦する受験生の英語知識で英文を書くというのはかなりチャレンジになるでしょう。

英検2級のライティングのレベル

英検2級ではどの程度のライティング(英作文)力を求める問題が出題されるか、どういう対策が必要なのかというのが英検2級受験者の興味のあるところでしょう。現段階ではTEAPの作文問題を見れば、ある程度の手がかりになると考えていいものと思います。但し、TEAPではライティングが独立したモジュール(試験科目)であることを考慮すれば、分量的には当然これより少なくなります。TEAPでは2問ですが、英検では当然1問だけとなるはずです。回答に100単語くらいの単語を入れた文章を書くものとすると、ざっと考えると、作文を4つまたは5つの段落に分け、イントロ、ボディ1、ボディ2、(ボディ3)、コンクルージョンという構成が効果的でしょう。1つの節を平均7つの単語を使える英語力があると仮定すると、100を7で割っておよそ14節、イントロとコンクルで5,6節使うとすれば、各ボディに3節か4節ほどの配分になります。しかもボディに入れるべき論点は問題の中にあらかじめ示唆されるのが英検のパターンです。

従って、ライティングといっても極めて初歩的な出題になるということですが、しかし英検2級を受験する範囲にある学習者にとって、自分で英文を書くということは大きなストレスには違いありません。

英検2級ライティングの問題サンプル・回答サンプル

日本英語検定協会のウェブサイトに掲載されている英検二級ライティングの例題をもとに作例を具体的に考えてみましょう。

<以下の問題例の引用元:日本英語検定協会ウェブページ>

●以下のTOPICについて、あなたの意見とその理由を2つ書きなさい。

●POINTSは理由を書く際の参考となる観点を示したものです。ただし、これら以外の観点から理由を書いてもかまいません。

語数の目安は80語~100語です

TOPIC

These days, some people buy things on the Internet. Do you think more people will do so in the future?

POINTS
・Cost
・Safety
・Technology
以上引用終わり

上記の出題に対する英検2級のライティング(例)と留意点など

<※以下の記述はこの記事が投稿された2015年時点でのものです。その後の英検2級の試験問題の傾向を踏まえて英検2級作文ビデオを作成して上に掲載していますので最新(2018年3月時点)の分析を含む上のビデオも併せてご覧ください。>

あなたの意見を書きなさい、とあるので、まず一番最初つまりイントロダクションに意見を書きましょう。質問が英文で書かれているので、この質問の意図を確実に理解できる英語力があるかということが出題者にとってはまず最初の評価になりますので、この問いかけに「直接的に」応える意見を簡潔に述べましょう。英語では一般的に意見をきっぱりと先に言うという傾向が強く、日本語でときおり見かけるような先にいろいろと状況や付帯情報を述べて何を言いたいのかを最後のお楽しみにとっておくというスタイルは英文の小論文ではあまり使用されません。最初にあなたの立ち位置を知らせてから論を起こすのが正攻法です。意見としては理論的には「そう思う」、「どちらともいえない」、「そう思わない」の3種類がありますが、受験者としては「そう思う」という答えにすべきと思います。なぜなら、問題には理由を2つ書きなさい、と要求しているのですが、参考となる観点の3つがコスト、セーフティー、テクノロジーの3つで、より多くの人がインターネットで買い物をするようになるという理由として述べやすいのはコストとテクノロジー、またネガティブとしてはセーフティーなので、そう思わないという意見だと作文で議論しにくいからです。これら以外の観点から理由を書いてもかまいません、とは書いていますが、限られた時間の中でこれら以外の観点をわざわざ作文に持ち出すメリットは何もありません。

英語の試験なので、採点者にとって極端な話あなたがどういう意見を持っているかなどはどうでもいいこと(評価対象の外)ですので、受験者としては採点者が採点しやすい英文、そして受験者であるあなたには論を運びやすい内容にして肝心な作文つくりに専念するのが得策です。

次にライティングのボディーとして、1番目に店頭で買うよりコストが低いことが多いことを利点にあげます。2番目は反言となりますが、安全性に欠点があることに言及します。3番目にテクノロジーの進展により、インターネットでの購入がますます容易になっている利点を挙げ、さらに安全性も高まっていくと予想されることを述べます。ボデーィはできる限り具体的な例を入れましょう。うそでも構いませんが、体験談などを入れるのが効果的です。作文の中に述べられる卑近な例は一般的に説得力を増す効果があるからです。また、作文が独自の文章になります。

このパターンでは参考にあげられた3つの観点すべてに言及することになります。理由を2つ書きなさいという指示であり、観点については3つすべて言及せよとは要求されていないので、例えばこのうち2つの観点だけに言及するなどでももちろん構わないのですが、3つすべてに言及するメリットとしては、述べる観点が多いだけ、深く掘り下げる必要がないのでライティングしやすいというメリットがあります。デメリットとしては、逆に述べることが多くなりすぎて語数のガイドラインを超えてしまうことがあるでしょう。その場合は単語数の調整のために観点をひとつ減らしましょう。また、上の例ではsafetyについて不利な点としてあげていますが、あえて不利な点に言及するのは意見に変化を持たせるまたはいろいろな観点からものごとを分析する巧みなエッセーであることをアピールする点で一般的にお勧めです。但しこれも解答の要件に含まれているわけではないので、無理に入れ込む必要はありません。観点をいくつ導入するかにかかわらず、「理由」は2つです。この例では費用の安さと、簡便性を2つの理由に上げています。

忘れがちですが、作文の最後にコンクルージョンとしてもう一度あなたの意見を述べましょう。まとまりがよくなりますし、単語数を稼ぐことができます。最後に全体の注意点としては、あやふやな知識の構文、単語は使わずに、確実に正しい英文だけを書くようにしましょう。作文(コンポジション)は間違った文法や明らかな誤用、誤った単語などを使用すると減点の対象になるからです。一方、多少の小さなスペルミスなどはあまり問題にはされないと思います。もちろんスペルミスはないにこしたことはないので、最後に全文を見直しして極力ミススペルその他ケアレスミスなどをつぶすように丁寧に校正をするようにしましょう。以上の内容をまとめて例文を作成してみると、

英検2級ライティングの具体的な解答例

I believe that more people will buy things on the Internet in the future.

← イントロダクションでまずあなたの意見をさっくり述べます。ここでは、今後より多くの人がインターネットで購買をするようになる、という考えに賛成という「肯定」の立場をとっています。問題文のほぼ繰り返しですが、また多少の言い換え(パラフレージング)をするのも効果的ですが、いずれにしてもきちんとしたセンテンスで「簡潔に」意見を述べましょう。詳細はこのあとに詳述するので、また英検2級のエッセイは指定の単語数が100単語と少ないので、イントロダクション(導入)では短くまとめることが肝要です。

For one buying things on the internet is often cheaper. When I wanted to buy a watch I visited a few stores but finally I bought the watch I liked on the internet because it was cheaper.

← ボディ1で第1のポイントのコストの観点からイントロで述べた自分の意見の第1の理由を述べています。この例では、この段落(パラグラフまたはボディ)に6つの節からなる2つの文章(センテンス)を用いています。全部で37単語ですから、1文節あたり6単語となります。英検2級の方の作文力としては十二分な単語数でしょう。例として自分の卑近な経験を具体的に導入しています。ほんとうに店に行って時計を買おうとした経験があったかどうかはこの際問題ではありません。英作文の主なアピールポイントとしては、正しい単語が使用できること、5文型に沿った適切な構文を用いることができること、エッセイ全体を問題の指示に従い一貫した論理的な構成ができることなどが重要です。小技として文章に比較級(comparative adjectives;または最上級superlative adjectives)などを導入するのも賢明ですし、また関係代名詞(relative clause)を入れているのも英語知識のアピールが目的です(間違った使用法をすると逆効果なので、自信のある語法だけを使用すること)。また、ここではFor oneといっていますが(また次の段落ではhoweverと言っています)、このように段落間の関係性をつなげるトランジションワーズ(transition words & phrases)またはディスコースマーカーを効果的に使用するのは論理展開を読み手に分かりやすくするマーカーの役目をして評点にプラスに働くと思われるので積極的に使いましょう。これら英語力・作文力をアピールするためのカードを適切に効果的に「切れる」ようにあらかじめいくつか手持ちしておくのがいいと思います。

However, some people say that buying things on the internet is risky because of credit card crimes, etc.

← 次にボディ2として第2のポイントの安全性についての問題点を提起しています。これは自分の意見には都合の悪いポイントですが、ひねりを入れるのは議論に客観性と幅を加えるので効果的です。

But new technologies are making the internet safer every day and I think this will make buying things on the internet easier and more convenient.

← 次にボディ3は第3のポイントのテクノロジーの観点から意見をサポートする論拠を述べています。ここで、第2のポイントの安全性の問題はテクノロジーの進展により解決するはずと述べて最終的に意見の一貫性に利用し、イントロダクションで述べた意見をサポートする2番目の理由としています。コンポジションとしては、makeを用いて~を~にするというSVOC文型を導入し、この文型の活用もできることを示しています。

In conclusion, although there are some safety issues, I believe that more people will buy things on the internet because of cost and convenience. (118 words)

← ライティングのコンクルージョン(結論)では最初のイントロで披歴した意見をもう一度まとめて述べ、全文を締めくくります。おさまりが良くなります。ここで決して新たな論点を導入してはいけません。あくまでもここまで議論してきたことの「総括」にしてください。陥りやすい過ちですが、書いているうちに欲張ってあれもこれもと新たな論点を持ち込むことがあります。これはいけません。特に締めくくるべき結論の部分で新たな論点が入ってくるとひっちゃかめっちゃかになりエッセイのクオリティ感・まとまり感を引き下げますので厳に慎みます。従ってここでの内容はイントロダクションで述べた意見の再確認となりますが、文章についてはまったく同じ文章を繰り返すのではなく少し言い換え(パラフレージング)をすると効果的です。テストの回答ですから、評価をしてもらうという姿勢が大切で、同じことを異なった構文、語句、単語で表現できる多様な作文能力をアピールして、採点者からの好印象を狙いましょう。

ライティング別解(例)

段落をもう少し少なくして、(上の解答例文が5段落なのに対して、この別解では3段落)すなわち使用される全部の語数を問題で指示されている目安の語数である100単語にまとめた同一の問題に対する別の作文回答例は次のとおりです。

I believe that more people will buy things on the internet in the future because it is often cheaper and more convenient than buying things in stores. Young people like using the internet and it is becoming more popular.

Some people believe that buying things on the internet is risky because of credit card crimes, etc., however, new technology is making the internet safer which will make buying things on the internet easier and more convenient.

Therefore, although there are some safety issues, I believe that more people will buy things on the internet because of the cost and convenience. (100 words)

※上記の英検2級英作文解答例はマイヤージャパン(福岡県福岡市中央区)で独自に作成したものであり、問題作成団体である日本英語検定協会の検討を受けたものではありません。

英会話大名でのライティング練習

英会話大名(福岡市中央区)ではすでに図書システムで借り出した英文の本の内容のサマリーを書いていただくなど、英文ライティングに慣れるクラスを展開しています。読む、話す、聞く、話す、書く、というプロセスを繰り返すことで英語の4技能はバランスよく進展していきます。当スクールでは良く読書をする子供は準2級から2級までを3ヶ月でクリアするなどの結果もでており、ライティングの試験が導入されればさらによい結果が期待できます。

英検2級のライティング問題は、例えば大学入試の和文英訳などの問題とは異なります。和文英訳問題は、日本文が与えられ、これを英語に直しなさい、という形の問題です。このような問題は、評価する側からの都合で出される問題であり、英語力の滋養という観点からは非常に質の低い問題です。現実の世界では和文英訳が求められることはありませんので。そういう意味で英検2級の英作文問題は学習者側の利点に立った良心的な正攻法の良問だと思います。採点の客観性を高める大きな努力がテスト機関に求められることになりますので、英検2級という多くの受験者がいるテストでこのような問題をだす決定をしたのはただならぬ決断と推察されますし、非常に評価されるべきことだと思います。

英検2級のライティング問題のタイプでは、回答が自由にでき、正解の数も無限にあるわけですが、もちろんどのような回答でも高く評価されるわけではありません。評価されるには、回答のエッセイ・回答英文は出題に対して矛盾しない論理と、適切な段落構成と正しい文章・文法・単語を持った英語表現が求められます。

ライティングについてはIELTS、TOEFL、TEAP、英検1級、英検準1級のライティングについても本ウェブサイト中の記事にしておりますので、あわせてご覧ください。ライティングは出題に対して期待されるパターンを覚えてしまえば非常に簡単に良い回答ができます。

本ページに記載されている内容は公益財団法人日本英語検定協会の検討を受けたものではありません。記載されている内容は事実に加えて筆者の推定なども含まれています。

英検2級対策クラス

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筆責:永江俊一(1984年英検1級取得、東大卒)