TEAP実践問題集
TEAPについては問題の持ち帰りがない中、英検協会のウェブサイトに公開されているサンプル問題だけが試験開催者から発行されている唯一の試験問題関連資料でしたが、先日(平成27年6月9日)おおいに待たれたTEAP問題集が発売されました。(旺文社発行。近くの本屋(福岡)ではすぐに見つからなかったので、私はアマゾンで買いましたが、ほどなく配送されましたので十分に在庫があるものと思います)
TEAP実践問題集の案内文には、「本書(TEAP実践問題集)に収録している問題等は公益財団法人日本英語検定協会より提供された内容を二次利用しています。」とありますので、旺文社が英検の各級の問題で発行している「過去問」とほぼ同様とみられます。(TEAP試験での試験問題は英検とは異なり持ち帰り不可で、過去の問題は門外不出なので、過去の出題問題と同じ過去問であるかどうかは筆者には調べるすべがありません)。日本英語検定協会より提供された内容を二次利用とありますが、旺文社と英検協会が極めて近いことを勘案すれば、TOEFLやIELTSのテキスト同様、TEAP実践問題集は試験主催者の販売する試験準備テキストととらえることができます。
TEAP実践問題集(ティープ実践問題集)には2回分の問題が含まれているので(但し、今回発売のティープ実践問題集は2回分のうち1回分のTest1はすでにウェブページに公開されていた問題と同じもののようなので、今回のTEAP実践問題集では実質的には1回分の練習テストだけの追加です)、非常に助かります。今まで発売を伸ばしてきたのは罪なような気がしますが、やむを得ない事情があったのかもしれません。ついては、2回分だけの問題にとどまらず、矢継ぎ早に追加の問題集を編集・発売してほしいものです。
特に、リーディングの2番のグラフを絡めた問題はほかに類似のものがないので(そしてすでに公表されていたサンプル問題を見る限りたとえば2番の1の問題など正解にあいまいさがありかなり不親切な問題という印象)、対応に苦労していた部分ですが、これで2番の問題の傾向についてもう1セットの問題例が利用できるようになりより効果的な練習ができるようになりました。
TEAPの問題については、大学の英語の入学試験の代替として使用されることがあるので、受験者の平均点などの資料以外に、高校生全体を母集団とする(実務的には無差別抽出した部分集合に対する試験調査)平均点の情報など知りたいところです。実施には文部省などの協力も必要となるかもしれないので容易ではないかもしれませんが、TEAP試験は従来の高校生向けの英語試験に比べて制限時間に対するパッセージの分量が多いと思われるので、平均的な高校生がどのくらいの分量の問題を処理できるのか客観的に知る必要はあると思います。
ティープは東京の上智大学をはじめとして九州地域では立命館アジア太平洋大学(APU)などでも英語の入試試験に活用されている日本人受験者を対象とする英語4技能評価試験で、IELTSやTOEFLよりもはるかに平易です。ティープと同様のほかの外部試験も含め、今後大学入試の英語の試験として採用が広がることが期待されています。英語の塾などでも取組みが進んでいます。
なお、ティープにはリーディングとリスニングのモジュールだけを選択するなどの受験ができるので(ライティングとスピーキングの省略)、TOEFL JUNIORのスタンダードとコンプリヘンシブ別のように、ライティングとスピーキングも含んだ4技能試験だけでなく、従来型のライティングとリスニングだけの2技能試験のオプションも可能です。受験すべきモジュールについては各大学の公表する要項を参照してください。
※ 今週末は第1回TEAP試験です。大学受験を控えている方はとりあえず受けときましょう!